"明るい笑顔 豊かな老後"

社会福祉法人 会津長寿園

☎ 0242-27-1797

人材育成計画

1.計画策定の目的

会津長寿園は、昭和3年にその前身が創設されて以来今日まで、会津若松市のみならず会津地域における福祉の拠点として高齢者福祉の増進に大きな役割を果たしてきました。

超高齢社会を迎えた中、高齢者福祉については、施設福祉の偏重から在宅福祉の充実へと大きく舵が切られました。しかし、養護施設としての会津長寿園は、在宅で生活することが困難な高齢者の生活と生命を守るライフラインとして、今後ともその役割は小さくなるとは考えられません。

経済的な理由や支援できる家族がいないなどの理由から入所した150名の在園者に対し、また、ショートステイ事業やデイサービス事業の利用者に対し、専門的な知識、経験を持つ80余名の職員が日常生活の援助、自立支援などにあたっております。在園者の約6割強が要支援、要介護となっている中、さらには独居高齢者や認知症高齢者等が増えている状況下において、職員の果たす役割は大きなものがあります。

職員は人財であり、会津長寿園の大きな財産であります。職員が仮に今の倍の力を発揮すれば、会津長寿園としての組織力は2倍になります。逆に半分の力しか出さなければ組織力は低下し、ライフラインとしての機能も果たせなくなります。職員の能力をいかに伸ばしていくか、職員の意欲をいかに高めていくかが大切な課題であります。

このようなことから、長期的な計画に基づき職員の能力開発と意欲の向上に取り組むとともに、それを支える組織的な仕組みなどを定めることで組織力の強化を図っていこうとするものです。

2.計画期間

平成30年度から平成39年度の10年間を計画期間とします。なお、必要に応じ見直しを行っていくものです。

3.求める人材像

会津長寿園が必要とする人材は、下記のような能力を持った職員です。

園の基本理念は、「利用者第一の常に優しく、安らぎと潤いにあふれるサービスの提供に努めます。」です。

この利用者第一の理念を具現化できる人材は、利用者に寄り添える、福祉への情熱を持った心優しい人材です。

また園では、職員の心構えと四つの誓いが文書化されています。

これを具現化できる人材は、元気で明るく利用者とコミュニケーションが十分に図れる人材です。

さらに、職員同士が助け合い、チームワークを強めることで園としての組織力を高めることができます。これを担えるのは、協調性があり柔軟な思考ができる人材です。

加えて、私たち職員は、利用者の感謝の言葉で仕事へのやりがいや意欲が一層高まります。そして、この利用者の感謝の言葉を、私たち職員は他の利用者や同僚職員へ広げていき、園を感謝の言葉で溢れる施設にしていきたいと考えております。

これを行なえるのは、感謝される人材であるとともに感謝の言葉を届けられる人材です。

求める人材像・利用者に寄り添える・福祉への情熱がある・心優しい・元気で明るい・コミュニケーション能力が高い・協調性がある・柔軟な思考ができる・感謝の気持ちを持てる

4.計画の三本の柱

個々の職員の能力開発、意欲の向上を図るため、「職員研修」「人事管理」「組織力強化」を三本の柱として継続的に取り組んでいきます。

(1)職員研修

職員研修については、自己啓発・基礎研修・専門研修・資格必修研修・管理監督者研修等に取り組んでいきます。具体的な研修の内容については、予算措置に基づき、毎年度研修計画を策定していきます。

① 自己啓発

自己啓発は自身の問題意識に基づき、自らの意思で学習し目的を高めていくもので、職員の能力開発のベースとなるものであります。

園には、平成28年4月1日施行の「資格取得等支援助成金要綱」があり、職員が自ら勉強を進め、介護支援専門員や介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事等の資格を取得した場合には、その受講料等の一部を助成しています。多くの職員の自己啓発を促進するため、本要綱の活用と併せ助成内容の充実を検討します。

・平成28年度実績・・・ 介護支援専門員資格更新研修 助成金 53,260円

② 基礎研修

福祉業務に携わる職員として基本的な知識・技術などを習得する研修であり、対象となる職員の受講を義務付けるとともに、研修受講のルール化を図ります。

対象 研修名 主催
新採用者 新入園者研修 法人本部
入職1年目 社会福祉施設初任者研修 県社協
入職1年目~3年目 老人福祉施設職員研修Ⅰ 県社協
4年未満職員研修 県社協
認知症高齢者対応研修 県社協
4年目~9年目 4年以上職員研修 県社協
老人福祉施設職員研修Ⅱ 県社協
社会福祉施設中堅職員研修 県社協
排泄ケア研修 県社協
相談援助面接研修(記録編) 県社協
介護記録の書き方 介護労働安定センター
全職員(新入職員含む) 各委員会の研修 各委員会
接遇研修 法人本部

③ 専門研修

高齢者福祉に対するニーズが多様化している中、職員はこれまで以上にプロフェッショナルな職員になる必要があります。担当業務に求められる専門的な知識や技術を習得する専門研修については、これまで同様引き続き推進していきます。

支援・介護員については、介護福祉士の資格取得に向けた支援を行うとともに、養護老人ホームの生活相談員に必須となる社会福祉主事の有資格者については、今後計画的な育成に努めていきます。また、管理栄養士の育成も検討していきます。

対象 研修名 主催
支援員・介護員 介護福祉士実務者研修 県社協・民間教育施設
介護福祉士資格取得 県社協・民間教育施設
生活相談員 相談援助面接研修(初級) 県社協
相談援助面接研修(中級) 県社協
生活相談員研修会 県社協
社会福祉主事任用資格 民間教育施設
看護師 看護等職員研修 県社協
栄養士 管理栄養士資格取得 民間教育施設
介護員等 認知症介護実践者研修 福島県高齢福祉課
委員会所属職員 身体拘束廃止推進セミナー 福島県高齢福祉課
委員会所属職員 福祉サービスに関する苦情解決研修会 県社協
委員会所属職員 高齢者虐待対応研修会 福島県高齢福祉課

④ 資格必修研修

業務遂行のために必要となる資格必修研修については、引き続き適切な受講の推進に努めていきます。

対象 研修名 主催
介護支援専門員
計画作成担当者
介護支援専門員研修Ⅰ 福島県介護支援専門員協会
介護支援専門員研修Ⅱ 福島県介護支援専門員協会
主任介護支援専門員研修 福島県
主任介護支援専門員更新研修 福島県
介護員等 認知症対応型サービス事業管理者研修 福島県高齢福祉課

⑤ 管理監督者研修

管理監督者は自分自身の担任業務の遂行以外に、部下職員の力を職場の目標達成に向け集中させ、あるいは職場内のコミュニケーションの活性化に努めるなど、組織としての力を高めるために大きな役割を果たしています。管理監督者の力量が、職場の活性化や組織力の向上に大きく関わることから、管理監督者を対象とした研修を引き続き進めていきます。

対象 研修名 主催
入職10年目の職員又は副主任以上の
役職に就いている職員
主任介護職員研修 県社協
第一線監督者研修会 会津若松経営者協会
チームリーダー研修 県社協
ボランティア受入担当職員研修 県社協
新人向けOJT(プリセプター)促進研修 県社協
新人向けOJT(プリセプター)先進事例研修 県社協
処遇長・所長 管理職員研修 県社協
事務長 社会福祉法人事務長等研修 県社協

※OJT研修とは On the Job Trainingの略称。日常の業務遂行の現場で、上司から部下へあるいは先輩職員からその業務に必要な知識や技術を習得させる研修。

(2)人事管理

最小の経費で最大限の効果を挙げるため、引き続き適正な職員数を維持していくとともに、適材適所の人事配置に努めます。人事管理においては、職員採用、人事評価制度の充実、適材適所の人事配置の三つの項目の検討を進め、職員の能力開発、意欲の向上等に取り組んでいきます。

① 職員採用

職員数の適正化に留意しつつ、職種ごとに計画的な人材の確保に努めてまいります。今後10年間を見据えた職員採用計画を別途作成します。

② 人事評価制度の充実

【ア 一般職の評価】

現在実施している人事評価に能力開発の視点を加え、職員個々人の強みは伸ばし、弱みについては研修を受講させるなど人事評価と研修を連動させる取り組みを検討します。

【イ 管理監督職の人事評価】

管理監督職を部下職員が評価する仕組みの導入を検討します。管理監督職は組織にとってキーマンであり、評価により管理監督者に自分の強み、弱みを気づかせるとともに、自己啓発や能力開発のきっかけにするものです。

③ 適材適所の人事配置

定期人事異動に際し、職員から担当してみたい業務や今後伸ばしていきたい能力、健康状態等について自己申告する仕組みを構築し、限られた職員数の中で適材適所の人事配置に努めていきます。

(3)組織力の強化

職員の能力開発、意欲の向上等の取り組みについて、それらを組織全体で下支えするような仕組みを検討します。また、人材育成の取り組みに対する具体的な評価指標を設定し、その評価を基に計画を修正するなど、人材育成計画に対するP(計画)・D(実行)・C(評価)・A(改善)サイクルの構築を図ります。

① 職員提案制度

利用者のサービス向上や経費の節減、事務事業の効率化など園の経営に関する事項について、職員の自由な発想からの提言を受け止める仕組みを検討します。提言内容については、管理監督者で構成する主任・係長会議でその是非を検討します。

② OJT(職場内研修)の推進

OJT(職場内研修)とは、日常業務の中で先輩職員等が新人職員等に対して、実際の業務に即して必要な知識や技能、態度などを指導・教育するものです。園に就業した新人職員(臨時雇用職員も含む。)に対して、中堅職員を教育担当職員として指名し、新人職員の能力向上と利用者に対するサービスの質の均一化を図ります。

また、OFFJT(職場外研修:集合研修)で学んだ知識や技能については、研修に参加した個々の職員から伝達する形で、園全体で共有する取り組みを引き続き進めていきます。

③ 健康管理・メンタルヘルス対策

限られた職員数の中、利用者のニーズの多様化や業務量の増加などにより、職員は日々大きなストレスを受けながら日常業務にあたっています。職員の健康管理、メンタルヘルス対策は、人材育成においても大きな課題であり、「安全衛生委員会」や産業医を活用し、引き続き職員の健康管理・メンタルヘルス対策に取り組んでいきます。

④ 処遇向上委員会の活用と成果の具体的指標

園に常設されている「処遇向上委員会」を活用し、職員の言葉づかいや態度、サービスの内容などの項目について、利用者から具体的な数値でもって評価してもらう仕組みを検討します。そして、その具体的な数値で示された指標に基づき、人材育成計画を不断に見直していきます。

平成30年6月 社会福祉法人 会津長寿園